小児科・アレルギー科

子どもの下痢

子どもの下痢

子どもの下痢の特徴

下痢は子どもによくみられる症状で、食べた物を十分に体の中で消化吸収できなかった時に起こります。特に小腸や大腸の働きが悪い時に下痢をすることがほとんどで、大人の下痢と違い、柔らかい便や水状の便が頻繁に排泄されやすい傾向にあります。

下痢の原因

赤ちゃんは母乳やミルク中心の生活のため、どうしても便が柔らかい傾向にあります。
普段より明らかに水っぽい便をしていたり、便の回数が多いときは下痢の可能性が考えられます。

ウイルス性胃腸炎

ウイルスの感染が原因で下痢をします。ノロウイスルやロタウイルスなどによる感染症が有名で、発熱、鼻水、咳などの風邪の症状を伴うことがあります。水のような下痢をするのが特徴で、便の色が黄色~白色っぽくなります。

食中毒

カンピロバクター菌やサルモネラ菌、病原性大腸菌が代表的で、下痢の症状がでるまで1日~2週間程度と幅があります。症状は下痢以外にも発熱、激しい腹痛、嘔吐などもあります。

食物アレルギー

特定の食品を食べた後に下痢をします。皮膚に湿疹ができることもあります。

乳糖不耐症

牛乳などの乳製品に含まれる糖をうまく消化できず、乳製品を食べた後に下痢をすることがあります。

便秘

便が直腸に溜まって固くなると、隙間を通って柔らかい便が漏れることがあります。

このようなときは受診しましょう

下痢をしているときは、うんちの量や色をよく観察することが大切です。
下記のような症状がある場合は、小児科を受診するようにしましょう。

  • 通常より便の量が多い
  • 発熱している
  • 便が白濁している
  • 血便が出る
  • 強い腹痛がある

下痢をしてしまったときには

小さなお子さんが下痢をする場合、たいていはウイルスや細菌の感染によるものが多いです。
そのためまずは、使用後のおむつは袋に入れて捨てるなどの感染対策が大切です。

また、下痢は身体に感染している病原体を排出させる為の防衛本能でもあるため、むやみに市販の下痢止めを使用すると、
症状をかえって悪化させてしまう場合があります。そのため気になる症状があるときは、まずは小児科を受診することが大切です。

小児科を受診する際は

うんちの状態はお子さんの健康状態を確認するバロメーターにもなります。もし可能でしたら、排泄されたうんちを携帯などで撮影し診察時にお見せいただけると診察がスムーズになります。

ホームケアについて

飲み物

下痢のときには、体の水分の吸収効率が悪くなっています。そのため知らない間に脱水症状を起こしていることもしばしばです。下痢を起こしているときは、体に負担が少なく水分を吸収できるように、水分だけでなく塩分もいっしょに補う必要があります。OS-1が一番おすすめですが、スープ、みそ汁でも構いません。一度にたくさん飲んでも、そのために下痢がひどくなることはありません。あまり飲みたがらないときは、スプーンなどで少しずつ、こまめにあげるのがよいでしょう。かんきつ類や糖分の多いジュース、炭酸飲料などは控えましょう。

食べ物

母乳やミルク

吐き気がなく、母乳やミルクを嫌がらなければ、いつもと同じように飲ませてもかまいません。ミルクは薄める必要はありません。飲めるようならしっかりと飲ませるのが良いでしょう。

離乳食

吐き気がないようであれば、下痢で失われた栄養を補うために、これまで通りの離乳食を食べさせてください。食べさせるものは、うどんや豆腐など消化に良いものがおすすめです。

入浴

機嫌がよく、熱が高くなければ入浴してもかまいません。下痢を起こしているときお尻がただれやすいので、可能な限りお風呂に入っておしりを清潔にしてあげたほうがいいでしょう。ただし、入浴が難しい場合は、洗面器にぬるま湯を入れ、お尻だけをタオルで拭いてあげるようにしましょう。下痢によりおむつかぶれがひどい場合は、軟膏を処方いたしますのでご相談ください。