小児科・アレルギー科

でべそ(臍ヘルニア)

でべそ(臍ヘルニア)って
どんな病気

臍ヘルニアは、「さいへるにあ」と読み、俗に言う「でべそ」のことを指します。でべそはヘルニア(脱腸)と呼ばれる病気の一つで、お腹の内側から腸が外に飛び出した状態を言います。

でべその原因

赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいる時はへその緒で繋がっており、へその緒を通じて栄養を受け取ります。出生後にへその緒が切られ、へその緒の通り道が自然にふさがっていきます。

しかし、赤ちゃんの時には腹筋が未発達なため、へその緒の通り道がふさぎ切らず、腸の一部が体の外にぽこっと出てしまうことがあり、これが原因ででべそになってしまうことがあります。

よくある症状

赤ちゃんが泣いたり、怒ったりすると、腹筋のすき間から腸が飛び出し、おへそがだんだんと膨らんできて、でべその状態になることがあります。触ると柔らかく、指で押すとグジュグジュとした感じで元にもどります。生後4~5カ月以降は、だんだんと小さくなり、1歳くらいまでには自然と閉じてしまうことがほとんどです。

治療について

臍ヘルニアは、お子さまの成長とともに腹筋が発達してくると、自然に閉じることが多いです。たいていは、1歳くらいまでに約80%のお子さまが、目立たなくなると言われています。ただし、放っておくと、おへその格好が悪く見えてしまうことがあります。
一度伸びてしまった皮膚は戻らないため、おへそを綺麗な形に戻すとなると手術が必要になることもあります。

当院では、綿球とテープを使って飛び出ている腸を内側に押し込む「圧迫療法」を行っています。圧迫療法は早く治療を始めるほど治癒率が高いと言われており、生後6ヶ月以降になると効果が低くなってしまいます。

生まれてからできるだけ早い時期に治療を開始することが、でべその治療において大事なことですので、気になる症状があるときは、いつでもご相談ください。圧迫療法は、生後1カ月から4か月以内に開始すると治癒率が高いと報告されています。お子さまのおへそについて気になる症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
1歳半を過ぎても臍ヘルニアの症状が残っている場合は、手術が必要になることもあります。その場合は、専門の医療機関をご紹介させていただきます。

よくあるご質問

お風呂に入る時はテープは取りますか?

テープを張りっぱなしで、ご入浴いただけます。

どのくらいの通院が必要ですか?

当院では基本的に1週間毎にテープ交換を行っております。また希望する人には自宅での処置法もお伝えしています。
症状にもよりますが、臍ヘルニア自体は1~3ヶ月程度で治癒するお子さまが多い傾向です。
テープを張っている部分に皮膚のかぶれが生じて皮膚が赤くなったりしたときは、受診してください。